子供が聞いても、大人が聞いても一緒に楽しめる音楽を作りたい。

そんな想いで作りはじめた「あんふぁんぐらんぱ」。

 3年前。私とこんちゃん(近藤洋史)が結婚の証人になった夫婦に子供が出来たのは、結婚から1年後でした。

そんな幸せの絶頂の時。赤ちゃんが生まれて10日後にパパは交通事故で天国へ行ってしまいました。

 この11月22日で2年。本当に早いね。


 その子のグランパに当たるTさんのアトリエの庭で2人が遊ぶ姿を見ながら、言葉にならないくしゅくしゅしたものがいつも心に浮かんでしまいます。

 そんなある日、そのグランパから、頼み事。
「エリ〜、子供向けの音楽は、子供向け過ぎて、一緒に聴いてると、だんだんつらくなっちゃうんだよ〜。何かもっと素敵な音楽が作れないかな〜」と。もちろん即答。「分かった、作るよ」と。

 その時、そのくしゅくしゅが、するっとほどけて、心がふわ、と軽くなるのを感じてました。

 何か出来る事があるって言う事。自分の為だけじゃなく、誰かの為にも何か出来ることで、自分も楽しめること。

 そんな音楽の原点に、もう一度立てる。しあわせだ。


 レコーディングは今年の春からぼちぼち始めましした。アレンジをやってくれてる近藤洋史の仕事の隙間をぬって、ちょっとづつ進んできました。

 私が物心ついた頃から大好きだった、「花の街」「白馬のルンナ」「レインドロップ」。

 ライブでやってみたらすごく楽しかった「アイスクリームの歌」。

 こんちゃんがこれやろうと持って来た「やつらの足音のバラード」。

 昭和な言葉達。洋楽を飲み込んで日本の曲として吐き出してきた先輩達の足跡。

 気心知れたメンバーと、ELLISの頃からのエンジニア天童 淳の素晴らしいミックスで、小さいけどキラキラした作品になりました。


 ジャケットは、描いてるうちに、空中に居る2匹のにゃ〜が登場。

「あんふぁんぐらんぱ」のアンファンは子供、グランパはおじいちゃん。ただ、最近のおじいちゃんは、ビートルズ世代でお洒落で、まるでおじいちゃんって感じじゃない。なんで、あんまりおじいちゃんぽいネコにならなかったのかな。

 それとも、天国のパパが登場してるのかもしれません。

 そんな「あんふぁんくらんぱ」。気に入ってもらえると嬉しいな。         elli 2012/11/08

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